阪神・淡路大震災の被災地をあるく

震災資料保管庫

住所

〒658-0023
神戸市東灘区深江浜町11ー1

設置主体

阪神高速道路株式会社・一般財団法人阪神高速道路技術センター

電話番号

06ー6244ー6060(一般財団法人 阪神高速道路技術センター)

アクセス

鉄道:阪神 深江駅下車 タクシー約 10 分徒歩約 30 分
車:阪神高速 5 号湾岸線 深江浜ランプより大阪方面から西へ約400m、神戸方面から西へ約800m

外部リンク

場所

ルート紹介

震災資料保管庫の紹介

阪神・淡路大震災で被災し損傷した高速道路の構造物を保管・展示している他に例をみない施設が震災資料保管庫です。ここでは、他にも阪神・淡路大震災の被災の概要や阪神高速道路の復旧の取組みを映像や写真パネルなどで展示しています。

震災資料保管庫に行ってきました

ここでは、興味深いと思ったことや震災後の取り組みに阪神・淡路大震災の教訓がどのように生かされているのかを示す模型があったので、ためしにやってみたものを紹介します。

1.復旧工事の数量

今回のコンテンツ制作の中で、震災資料保管庫に決まった際に、かなり関心を持ったのは、いったいどのくらいの橋脚や橋桁が破壊されたのかということでし た。復旧工事に要した費用や資材の量などが書かれている表があったので、ピックアップしてみました。なんと、撤去された橋脚が311基で、再構築されたの が308基、移設されなかったものの補修・補強を要した橋脚が843基(尼崎地区を含む)あったそうです。同様に橋桁が183径間撤去され、182径間再 構築されました。補修・補強を行った橋桁が1,085径間だったそうです。意外に知られていないのではないかと思いますが、驚くべき数です。これらの工事 を含めて、623日で全線復旧したとのことですから、関係者の方々の努力は並大抵のものではなかったでしょう。まことに頭が下がる思いです。このような努 力を後世に活かしていかなければいけないと思う次第です。

2.床組支承の免震化を行った場合と行わなかった場合にどのような違いが起こるのかを模型で体験することができたので、やってみました。

免震化前
免震化後

3.座屈拘束ブレースの有無による制震化の違いを見ることができました。
真ん中のV字2つに座屈拘束ブレースを設置した場合が左側で、設置していない場合が右側です。揺れの違いがよくわかると思います。

座屈拘束ブレースの有無による制震化の違い

案内図

案内図
被災構造物の配置図
・鋼上部構造物
A-1 アーチ橋の上横繋ぎ材の座屈と端横桁の変形
A-2 鋼連続箱桁橋の中間支点部の変形
A-3 鋼連続箱桁橋の主桁の座屈

・RC橋脚
B-1 RC橋脚基部付近での曲げせん断破壊
B-2 RC橋脚基部付近での曲げせん断破壊
B-3 RC橋脚基部付近での曲げ破壊
B-4 RC橋脚主鉄筋段落とし位置での曲げせん断破壊
B-5 RC橋脚のせん断損傷
B-6 RC橋脚基部付近での曲げせん断破壊

・鋼製橋脚
C-1 板パネルの局部座屈
C-2 鋼製橋脚(円形)のわれ
C-3 鋼製橋脚(円形)の局部座屈・われ
C-4 鋼製橋脚(円形)の局部座屈・破断われ
C-5 縦補剛材の座屈
C-6 鋼製橋脚基部の亀裂

・支承
D-1 西宮港大橋におけるピボット支承の損傷
D-2 支承の損傷 

施設紹介

エントランス

兵庫県南部地震の概要を紹介しています。


被災構造物

展示構造物の被災位置図
展示されている構造物がどこで被災したのかを示した図です。

1.被害の概要
被災した高速道路の被害の度合いに応じて4段階に分けて、被害の分類をしています。

2.展示構造物の写真


【アーチ橋の端横桁の変形】

【座屈した鉄筋】
復旧の際に、余震による二次災害防止用
にコンクリートを周囲に吹き付けます(黄色い部分)。
写真は、コンクリートで巻き立て補強した部分を
切断し、さらに分割したものです。橋脚の撤去は、
このようにブロックに分割して搬出されました。

【鋼製橋脚(円形)の局部座屈・破断われ】
 

橋脚の破壊でもっともよく知られているのが、
この曲げせん断破壊でしょう。テレビなどで
よく出てきます。

ダイヤモンドワイヤーを使用したワイヤー
ソーイング工法により、橋脚やはりを切断
することができたため、撤去にかかる期間
が相当短縮されたそうです。