【自治大臣賞】震災サバイバルキャンプイン99-1,000人の仮設市街地づくり
震災サバイバルキャンプイン&”99実行委員会(東京都)
事例の概要
■テ-マ
「仮設市街地」の検証
■経緯
阪神・淡路大震災では発災直後の被災地での総合的な立ち上がりの体制が問題視されると同時に、発災後2週間・2ヶ月から2年(阪神の場合は4・5年にわたる)の間、遠方に仮設住宅をつくるのではなく、商店、医療施設、処理施設などとワンセットになった住宅群、即ち「仮設市街地」を被災地につくる必要性が浮きぼりになった。そのため、その具体的な検証が求められていた。
■内容
- (1)日 時:1999年7月23日(金)~26日(月)の4日間
- (2)場 所:国営昭和記念公園(立川市・昭島市)の一部
- (3)参加者:延べ1,300人
- (4)内 容
- ① つ く る:神戸市で使用したのと同型の仮設住宅1棟(6戸)、単管とブル-シ-トによる住宅、汎用テント、一般テント、コンペによる自立仮設住宅等を建設する。
- ② す む:それら「住宅」に見立てた建物やテントに実際に3日間住んでみる。
- ③ 交流する:神戸や島原で災害に遇った方々や仮設住宅居住者をお呼びし話を伺う。また、いくつかのシンポジウムも行う。
- ④ 片づける:ゴミのリサイクル、資材の返却を皆で行う。
■キ-ワ-ド
「仮設市街地」「社会実験」「草の根型イベント」「公園の災害時利用」「市民参加」等
■その他
本事業は国営公園主催の新しい公園利用のアイディアを求めるプラン募集(1998年7月)に応募して実施候補案となり、建設省・昭和記念公園工事事務所、財団公園緑地管理財団昭和管理センタ-と共催で実施したものである。
廃材を再利用した仮設住宅
モンゴルの「パオ型」仮設住宅
移動トイレ
様々なテント
「むら」のお店
飛び入りのバンド演奏
夜の「防災のまちづくりシンポジウム」
「むら」の食事
「むら」の食事
苦労・成功のポイント
- 1.「草の根型」で行うため、資金集めに苦労した。
- 2.公園部局と共催ではあったが管理部門との調整が多く苦労した。
- 3.参加者に若い市民、特に学生が自主的に数多く参加してくれたことから、建設・運営にパワ-を発揮した。
成果・展望
- 1.防災まちづくり、特に復興まちづくりにおいて、「仮設市街地」というものの役割、必要性が認識された。
- 2.各地域自治体の防災計画の中で、災害後の公園やオ-プンスペ-スの役割を明らかにし、仮設市街地計画をつくる必要性があきらかになった。
実施期間
1998年から事業検討、1999年7月23日~26日に実施
事業費
約470万円(運営委員会費+協賛金等)
団体の概要
防災関連ボランティア(阪神地域でのボランティア体験者を含む)、防災まちづくり研究者(大学教員、大学院生、学生)、防災まちづくりコンサルタント、自治体職員、一般市民ほか。