優良事例
(一般部門)
災害ボランティアグループによる防災啓発活動
防災チュウチュウ隊
(岐阜県大垣市)
事例の概要
■経緯
大垣市は古くから水都と呼ばれ、非常に水に恵まれた土地柄であると同時に、水害に悩まされ続けてきた地域でもある。また、近年頻発する大地震や異常気象からもたらされる自然災害の脅威にさらされている。
そんな中、大垣市社会福祉協議会が開催した『災害救援ボランティア養成講座』には、防災・減災活動に関心のある多くの市民が集まり、災害について広く学んだ。そして、いざ災害が起こったとき、市民でありボランティアである自分たちにどんなことが出来るかを考える契機となった。
4回の講座を受講した後、修了生は「講座で学んだことを生かし、地域を災害から守るために何かできないか」と話し合いを行った。そこで、自分たちが講座で学んだように、広く市民に災害の知識や怖さ、教訓、そして備えることの大切さを伝えていくことで、災害に強いまちづくり、市民づくりが出来るのではないかと考えた。これを機に、『防災チュウチュウ隊』が発足したのである。
■名前の由来
『防災チュウチュウ隊』という名前には、①発足の年が“子年”、②ネズミは地震が起こる時、一番はじめに逃げるという迷信がある、③ネズミの『チュウ!チュウ!』という鳴き声は“注意”の“チュウ”、④隊員がネズミのごとく“増殖”していくように、という4つの思いや願いが込められてる。現在、大垣市近辺では防災啓発活動を実施しているボランティア団体は珍しく、また愛らしく覚えやすい団体名も相まって、公演依頼も多く、知名度も上がってきている。
■活動の内容
- 1 防災・減災の知識や教訓を伝えるメッセージを込めた、防災啓発劇『たすけあいは大事でチュウ』や防災ファッションショーの実演、防災意識を広める『防災チュウチュウ隊のうた』などを、県内各地で披露し、防災・減災の啓発に努める。
- 2 メンバー自身が知識を深め、活動に生かしていくため、勉強会や研修会を開催している。
- 3 2ヶ月に一度の定例会
また、今後は災害救援ボランティアセンター設置の支援や災害現地へのボランティア派遣など、さらに活動の幅を広げていく。
公演の様子 寸劇
アトラクション準備の様子
災害救援ボランティアコースの様子
災害救援ボランティア講座の様子
苦労した点
- 1 まず、どんな形でメッセージを伝えていけばいいかを決めるときに悩んだ。
- 2 劇やファッションショーを“演じる”という経験があまりなく、戸惑いがあった。
- 3 セット、大道具の準備や劇等の練習に多くの時間がかかった。
- 4 劇やファッションショーには多くの人員が必要になるため、人集めが困難になるときがある。
特徴
- 1 市民ボランティアが考え作り上げた、市民の市民による市民のための防災・減災活動である。
- 2 劇や歌を使って啓発することで、子どもから高齢者まで、多くの人が災害について楽しく学ぶことが出来る。
- 3 市民自身が啓発することで、自助・共助の大切さを伝えるのに非常に説得力があり、また親しみを持って防災を学ぶことが出来る。
- 4 地域住民の防災意識を高めることを主たる目的にして活動している団体は珍しく、周辺自治体や市民団体からの関心が高い。
団体概要
- 構成人員 : ボランティア20名
- 団体概要 : 大垣市社協が実施した「災害救援ボランティア講座」の修了生の有志が集い結成したボランティアグループ。防災にかかわる啓発を行っている。
実施期間
平成20年1月~