第13回防災まちづくり大賞(平成20年度)

鹿折中学校による実践的防災教育活動実施ー未来の防火戦士たちー

優良事例
(一般部門)

鹿折中学校による実践的防災教育活動の実施 -未来の防災戦士たち-

気仙沼市立鹿折中学校
(宮城県気仙沼市)

事例の概要

■経緯

 気仙沼市は宮城県北に位置しており、太平洋に面するリアス式海岸を有する風光明媚な漁業と観光のまちである。
 しかし、そのような土地柄ゆえ明治三陸地震津波・昭和三陸地震津波・チリ地震津波など、過去幾度もの津波被害に遭っている。
 政府の地震調査委員会からは宮城県沖地震の発生確率は今後30年以内に99%との予測がなされており、また津波の発生も懸念されている。宮城県の被害想定では最大8.7mもの津波の到達が予測され、甚大な被害が予想される。
 本市では市民一丸となり、被害を最小限とするため、様々な取り組みを行っている。
 特に本校では予想される津波浸水域付近に位置することから、総合学習の時間において防災学習の班を結成し、自分自身の命を守ることができ、また助け合いの精神を育てるよう、様々な点から総合的に防災教育に取り組んだところ、生徒達の発案により地域への防災貢献活動にまで発展を見せているところである。

■内容

  • 1 「災害についての学習」
     生徒達が過去の災害について学び、当地区の被害想定を認識することで、災害が人ごとではなく、自分自身に降りかかるかもしれないものであるという認識を深めた。
  • 2 「ぼうさいマップ・立体ぼうさいマップの作成」
     地域を立体的なマップとして作成することで、地域における災害時に危険な箇所などを認識するのに効果的であった。
  • 3 「防災看板の作成・設置」
     地域の人々に危険性を伝え、また災害から身を守ってもらうことを目的として、防災看板を作成し設置した。(消防屯所やゴミ置き場、学校の駐輪場等に設置している)
  • 4「その他の取り組み・発表」
     消防署や社会福祉協議会、市役所等の外部機関の協力を得ることで、炊き出し訓練や、消火訓練、キャップハンディ体験など多様な内容に取り組むことができたことで、生徒達の関心も高まり、また発表会において、その成果を保護者等に発表し地域の防災力向上に一役買っている。

想定浸水区域の調査、立体防災マップの作成

想定浸水区域の調査、
立体防災マップの作成

社会福祉協議会の協力によるハンディキャップ体験

想定浸水区域の調査、
立体防災マップの作成

炊き出し、サバメシ、備蓄食糧での調理

苦労した点

 初の試みということもあり、外部機関との日程調整、時間調整に苦労した。
 予算の限られる中、より質の高い学習を目指し実践した。

特徴

 防災について学ぶことが,自分たちの地域を知ることにも役だったようである。
 消防署、社会福祉協議会、市役所防災担当等の関係機関の協力を得て、連携しながら取り組んだことで、より効果的に行うことができた。
 生徒へのアンケートで意識の変化について調査を行ったが、確実に防災意識の高まりが見られた。
 段階的な取り組みとすることで、生徒の防災意識が次第に高まり、地域貢献的な活動にまで発展を見せている。

団体概要

気仙沼市立鹿折中学校 全校生徒数:228人
※人数は平成20年4月1日現在

実施期間

平成19年~