優良事例
(防災情報部門)
「災害時における緊急情報の提供」
~市営住宅へのケーブルテレビの導入~
尼崎市都市整備局 住宅管理担当
(兵庫県尼崎市)
事例の概要
■経緯
尼崎市は平成21年3月末現在で210,951世帯が生活を営んでいる。
そのうち尼崎市が提供している住宅戸数は10,813戸あり全世帯の約1/20を市営住宅で提供していることになる。
現在、市営住宅の入居者は65歳以上の高齢者が占める割合が約35%と災害時には援護が必要な世帯が多く災害時の対応が急務であった。
■内容
- 1. 10,813戸全戸にケーブルテレビが視聴できるように施設改修を行った。
導入したケーブルテレビのチャンネルはNHK及び民放各局に加えてコミュニティチャンネル(尼崎市でも専用の番組を配信している。加えて災害時には情報を提供するとされている。)を備えており、視聴者が簡単に選択できる。 - 2. 消防法の改正により寝室に火災報知機の設置が義務付けられたが、尼崎市では市営住宅の入居者や施設の特性から、居室全室に火災報知機の設置を行うことを決めた。 また、その機会を捉えて各自治会での消防訓練を消防局協力のもと充実させた。
火災警報器設置工事前
火災警報器設置工事後
住宅内交換前
住宅内交換後
説明会
苦労した点
- 1. ケーブルテレビ導入時期とデジタル放送切り替え時期が近接していたことにより、災害対策の必要性よりもデジタル放送に住民の関心が向いてしまった。
- 2. ケーブルテレビ導入に伴い施設改修が必要となったが、居住している居室での施行となり入居者の理解と日程調整に時間を取られた。
- 3. 今回ハード面での整備は完了するが、災害時の活用方法や自治会による「災害時要援護者対策」が行える自主防災組織への育成について努力している。
- 4. 火災報知機の設置についても居室でも施行となるため調整に時間を要した。
特徴
- 1. 災害時の尼崎市の情報が迅速・的確に入居者に届けることができる。
- 2. 導入を機会に「災害時要援護者対策」が行える自治会を育成する機会が持て防災人づくりにつなげることができる。
- 3. ケーブルテレビを導入することによりデジタルテレビの所有者はデータ放送の視聴も可能になり多くの情報入手が可能になる。
- 4. 火災報知機の設置では寝室以外にも設置することにより火災発生時にどこにいても火災が認識できるようになり生命の安全が図れる。
実施期間
平成20年4月~