優良事例(一般部門)
中学生の防災チームによる実践活動
墨田区立吾嬬第一中学校「吾嬬一中レンジャー隊」
(東京都墨田区)
事例の概要
■経緯
大災害時には「若い防災力」が求められていることから、当時の副校長が生徒に呼びかけ女子15名、男子7名計22名の有志で「吾嬬一中レンジャー隊」を発足させ、現在に至っている。
毎年、後輩が受け継ぎ、3年経過した現在は16名で活発に活動している。「救出救助」、「応急救護」、「初期消火」、の技術を身に付け、地域防災の要になっている。
■内容
- 1. 修得した技術は、簡易救助資器材の取り扱いや全員が上級救命講習を修了、さらにD級可搬ポンプの操作をマスターしている。また、各自が携帯無線機を操作し、リーダーの指示命令で一連の活動ができるまでに至っている。
- 2. 訓練を月に2回実施し、毎年夏休みには「防災キャンプ」を行っている。なお、訓練技術指導は向島消防署、向島消防団、区民消火隊が担当している。
- 3. 活動は、地元の防災訓練に参加するほか、墨田区総合防災訓練では災害時支援ボランティアや区民消火隊等と連携し、救出救助、応急救護などを実施している。
- 4. 毎年、向島消防署主催の「女性防災コンテスト」において訓練成果を披露している。
- 5. 昨年度の「防災シンポジウム2009」で活動を発表し、消防総監感謝状を贈呈された。
- 6. (公財)東京防災指導協会が制作した防災映像「be alive」に特別出演した。
- 7. 「墨田区合同水防演習」に中学生として初めて参加し、災害時支援ボランティアと連携して、住宅地浸水防止工法を実践した。
- 8. 活動が東京新聞やNHKで取り上げられ、墨田区の防災ガイドブックにも活動が大きく紹介されている。
- <成果>
- 1. 当チームの活動により、墨田区内の他の中学校においても防災チーム結成の契機となり、「若い防災力」の先頭に立つ存在となっている。
- 2. 防災映画に出演したことから、本中学校全体が「防災」に対する関心が高まり、学校を挙げて防災講話や講習会を活発に開催するようになった。
- 3. 町会の防災訓練に参加することにより、地域住民が若い力の存在を認識し、小学生等の子供の参加者が急激に増えている。
- 4. 各種訓練に参加することにより地域住民に広く周知され、さらに他の防災チームと連携が図れるようになった。
墨田区長に「防災シンポジウム2009」消防総監感謝状を報告
夏季合宿におけるD級ポンプ操作訓練
女性防災コンテスト38
墨田区総合水防訓練
苦労した点
- 1. チームを編成する際、防災活動の必要性を全校生徒に訴え、募集したこと。
- 2. 他の部活もできるよう、訓練時間について考慮したこと。
- 3. 「本当の地域連携ができるチーム」を目指すために、積極的に防災訓練等に参加し存在を知ってもらい、地域の理解を得られるよう努めたこと。
- 4. 活動の場を多く創り、チームの存在や意義、必要性をPRすることに工夫したこと。
特徴
- 1. リーダーを中心に、自分達で無線機を使用し連絡をとり、活動できる。
- 2. 「実践できる隊」として、防災技術を身に付けている。
- 3. 地域と密着し、防災訓練等では地域住民とともに活動できる。
団体概要
墨田区立吾嬬第一中学校「吾嬬一中レンジャー隊」
墨田区立吾嬬第一中学校の生徒16名で構成された救助チーム。「救出救助」、「応急救護」、「初期消火」の技術を身に付け「実践できる隊」として防災訓練等で地域住民とともに活動している。
実施期間
平成19年~