優良事例(一般部門)
「みどりと花に出会うまち」で心の通う地域防災
東恋ヶ窪六丁目自治会
(東京都国分寺市)
事例の概要
■経緯
東恋ヶ窪六丁目地区は、国分寺市のほぼ中央に位置する恋ヶ窪地域の北部にあって、昭和30年代から農地の宅地化が急速に進んだ住宅地中心のまちである。
しかしながら、このような静かな環境の中にも防災上の危険要因は少なからず存在し、地域をあげて安全で住みよいまちづくりを進めようという機運の高まりから、昭和57年4月に防災委員会が発足した。昭和60年5月には国分寺市内で4番目となる国分寺市との「防災まちづくり協定」を締結し、「みどりと花に出会うまち」のテーマに沿って地震発生時の倒壊危険要因を排除することを目的としたブロック塀等から生垣への転換推進活動のほか、共助の基本となる人と人との心の通い合いを育み、災害に強く安全で住みよいまちづくりを推進している。
■内容
- 1. 平成元年に大地震に対する備えや災害時の行動指針を示した「地区防災計画書」を発行した。また、防災マップの作成及び全戸配布により、災危険箇所及び消火器設置場所等の周知している。
- 2. ブロック塀等から生垣への転換推進活動を実施し、17箇所の倒壊危険を排除した。
- 3. 平成7年から「災害は自分で防ごう地域で守ろう」の自助・共助のスローガンのもと、地域の総合防災訓練である「防災のつどい」を毎秋開催しており、多くの参加者を得て定着している。
- 4. 平成10年に防災まちづくりの礎となる「東恋ヶ窪六丁目まちづくり宣言」を提唱した。
- 5. 「防災だより」の発行により、防災意識の高揚が図られている。(昭和58年創刊、現在101号)また、避難、初期消火、応急救護の各訓練に加え、災害時要援護者の安否確認・避難支援訓練を実施するとともに防災ビデオ等による啓発をおこない、着実に住民の防災行動力の向上が図られている。
- 6. 町会費により、防災用品(簡易救助資器材、車椅子、リヤカー他)及び格納庫(2箇所)を整備した。
- 7. 災害時要援護者支援体制を構築している。
- 8. 救命講習の受講促進し、累計で53名の講習修了者を養成した。
- 9. 住宅用火災警報器の設置促進活動により設置率は約80%となり、更なる設置促進を図っている。
防災のつどい 避難訓練(要援護者支援含む)
防災のつどい 応急救護訓練(包帯法)
普通救命講習受講
防災のつどい 初期消火訓練
苦労した点
- 1. 東恋ヶ窪六丁目自治会は市内でも高齢化率が2番目に高い。そのため、高齢者同士による共助体制の確保や若い世代の取り込みに考慮している。
- 2. 災害時要援護者の支援体制の構築にあたり、個人情報提供元である国分寺市福祉保健部高齢者相談室との申し合わせ及びその取り扱いに苦慮した。市から災害時要援護者情報の提供を受けるにあたり、市の定めた情報管理の遵守事項に署名捺印を行うなど、市担当者と何度も打ち合わせを行った。
特徴
昭和57年から28年間にわたる長期間の取組みを推進している。
活動をとおして災害時要援護者支援対策強化の意識が高まり、マンツーマンを基本とした支援体制の構築へ発展している。
団体概要
東恋ヶ窪六丁目自治会
世帯数831 住民1,837名
住宅地8割 商業地1割 農地1割
住宅地の種別比率 戸建住宅9割 集合住宅1割
実施期間
昭和57年4月~