第16回防災まちづくり大賞(平成23年度)

住宅用火災警報器共同購入活動

優良事例(住宅防火部門)

住宅用火災警報器共同購入活動

新居浜市婦人防火クラブ運営協議会
(愛媛県新居浜市)

事例の概要

■内容

 平成18年6月に消防法が改正となり、一般住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられ、新居浜市においても平成23年5月末の設置期限に向け、消防本部が中心となり活動を開始した。しかしながら設置率が思うように伸びないため、婦人防火クラブでは地域ぐるみによる共同購入活動を開始することとなった。
 平成21年5月から共同購入活動を実施するにあたり、住宅用火災警報器に関する正しい知識及び共同購入活動に対する意識統一を図りスムーズな活動ができるよう、クラブ員を消防署に集め説明会を開いた。同年5月から開始した活動の概要は、クラブ員が各クラブの地域の家庭に直接足を運んで戸別訪問し、住宅用火災警報器の必要性をパンフレットに基づいて説明した。受注は各クラブが取りまとめ事務局の消防署に連絡し、商品を配達して集金するという流れである。戸別訪問するため、不信感を抱かせることがないよう、クラブ員には消防署が作成した名札を携帯してもらい、また市政だよりに共同購入活動について特集記事を掲載するなどの配慮を行った。活動を続けていく中で、地域の連合自治会に協力を依頼し、回覧板で共同購入の紹介をしてもらうなど、各クラブで工夫も重ねた。
 この活動の特徴は、クラブ員が地域の事情に詳しい主婦が中心であるため、知り合いも多く悪徳商法などの心配もなく安心して注文できることと、共同購入で一度に多く注文するため、より低価格で提供できることである。
 また、毎年秋の火災予防週間中に市内の大型ショッピングセンターにて開催している『住宅防火フェア』においても、屋内に住宅用火災警報器のコーナーを設けて、モデルハウスの展示や住宅用火災警報器の説明、防火アンケートを実施し、市内の設置率の把握や防火に対する意識の調査を積極的に行い、普及率向上を目指している。
 新居浜市の普及率については、共同購入活動を開始する前の平成21年4月で、新居浜市の推定普及率が約21%、開始後平成21年7月が約35%、平成22年7月が約51%、設置期限の平成23年5月末は約52.5%となっている。平成21年5月から平成23年8月末までの当クラブの活動実績は、1,937世帯、3,413個となっている。
 新居浜市T町にて発生した火災では、共同購入により設置した住宅用火災警報器が作動し、被害を最小限度に止めた事例のほか、数件の奏功事例などもあり、大きな功績を上げている。
 住宅火災から大切な命を守るため、これからも共同購入活動を続けて、安心・安全な町づくりを目指す。

市政だより(表紙)2009.7

市民向け住警器設置説明マニュアル実技

市民宅訪問設置活動

市民宅訪問設置説明

住宅防火フェアにおける住警器設置に関するアンケート調査

住宅用火災警報器研修会

婦人防火クラブ員における住警器の普及啓発

苦労した点

 新居浜市消防団は17分団に分かれており、そのうちの10分団区において婦人防火クラブがある。主に自分たちの所属している分団区を中心に共同購入活動を実施するため、クラブのない分団区においての普及率が伸び悩んでいたため、広報紙への掲載や自治会への呼びかけを行った。

特徴

  • ・地域ぐるみにより共同購入すれば、安価に購入できる。
  • ・地域ぐるみにより設置するので、隣近所のみんなが安心して暮らせる。
  • ・地域ぐるみにより設置するので、悪質訪問販売の心配もない。
  • ・住宅用火災警報器の更新時期も同じ時期になるので、安心。

団体概要

 新居浜市婦人防火クラブ運営協議会は、11消防分団区の婦人防火クラブ員137名で組織されている防火団体。

実施期間

平成21年5月~