優良事例(住宅防火部門)
地域での住宅用火災警報器、共同購入及び設置後の維持管理
川前町婦人消防隊
(福島県いわき市)
事例の概要
■経緯
消防法が改正され、住宅用火災警報器を新築住宅は平成18年6月1日から、また、既存住宅は平成23年6月1日から設置が義務づけられたことにより、平成18年7月から川前町婦人消防隊では、総会や町内での行事等の中で、住宅用火災警報器の重要性を訴え、設置促進を呼び掛け、各地区の婦人消防隊で共同購入を実施してきた。平成22年5月に町内の行政区長や地元消防団の協力を得て、住宅用火災警報器の設置普及調査を実施した結果について消防本部より情報を得ると、町内では住宅用火災警報器の普及率が約62%で普及が思うように進んでいない状況から、火災予防の普及を図るため、平成22年8月に川前町婦人消防隊が、住宅用火災警報器の共同購入を企画し、各家庭を戸別訪問して共同購入を促して、平成23年 3 月に全世帯478世帯中、未設置世帯188世帯、約370個を共同購入し、川前町普及率100%の達成に至っている。更に住宅用火災警報器の維持管理研修を受講して、各世帯への指導に努めている。
■内容
- 1. 川前町婦人消防隊16の地区部隊が、婦人消防隊規約のもとに、平成18年から住宅用火災警報器の説明を受け、住宅用火災警報器の重要性を学んだ。
- 2. 平成18年から町内イベント等に参加し、住宅用火災警報器の重要性を訴え、住宅用火災警報器の設置促進にあたった。
- 3. 住宅用火災警報器の設置普及調査を実施した結果、普及率が約62%と町内で普及が思うように進んでいない事から普及率100%を目標に未設置世帯への共同購入を促進した。
- 4. 共同購入にあたり、隊員が各家庭を戸別訪問し、設置の重要性を説いて、町内での設置促進を訴え、希望者に共同購入を促した。また、高齢者家庭については、地域包括支援センターの協力を得て購入し、町内全体への普及設置にあたった。
- 5. 地域生活改善センターにおいて、市、消防団、幼年消防クラブ、消防本部が参加し、町内の全世帯が住宅用火災警報器を購入にあたり、普及率100%達成の式典を実施し、テレビ、新聞等を通して県民に住宅用火災警報器設置の促進を訴えた。
- 6. 取り付け困難な家庭には、地元消防団と協力し、取り付け作業を自主的に実施した。
- 7. 各隊員が住宅用火災警報器の維持管理研修等を受講して各世帯への指導に務めている。
苦労した点
- 1. 当地域は、中山間地域で高齢率が高い地域であることから、高齢者家庭を戸別訪問して設置の重要性を説いて、理解を得るまでに時間を要したこと。
- 2. 当地域は、中山間地域で住宅が点在し広範囲にわたる中で、各家庭を戸別訪問したこと。
- 3. 住宅用火災警報器を設置する場所が天井で高所のため、三脚等を使用して設置するとき恐怖感を伴ったこと。
特徴
- 1. 婦人消防隊が、住宅用火災警報器の重要性を訴え、住宅用火災警報器普及率100%を目指し、 共同購入を促して実施したことにより、町内の市民が関心を抱き、全面的に協力を得られた。
- 2. 地域包括支援センターとの情報共有により、災害弱者である高齢者世帯への住宅用火災警報器購入や火災予防等に協力支援体制が確立された。
- 3. 各関係機関の協力を得て、町内で住宅用火災警報器普及率100%達成したことに伴い、式典を実施し、テレビ新聞等を通して県民に住宅用火災警報器設置の促進を訴えた。
団体概要
全国の市町村に設置されている女性消防クラブで、当組織は、昭和37年11月15日、旧石城郡川前村の時代に当時の川前村婦人会から発足し、川前町16地区に分かれた1組織である。
実施期間
平成18年7月~