優良事例(住宅防火部門)
住宅用火災警報器の共同購入活動
紫波町婦人消防協力隊連合会
(岩手県紫波町)
事例の概要
■経緯
紫波町婦人消防協力隊連合会は、「火災を未然に防ぐことは、日常火の取り扱いが最も多い主婦の自覚が大切である」との方針の下に、防火思想の普及、啓発活動に重点を置き、事業を進めている。
特に、春、秋の火災予防運動期間中には、消防団と協力して、各地区の協力隊ごとに町内全家庭を巡回し、防火チェック、防火助言を行っている。
今まで、各地区協力隊独自で住宅用火災警報器のPR及び共同購入活動を実施していたが、町全体の設置率が低迷していることから、連合会として共同購入できないかという声があり、平成23年5月31日の設置期限までに、普及をより一層推進するため、紫波町婦人消防協力隊連合会として住宅用火災警報器の共同購入活動を取り組むこととした。
■内容
- 1. 平成22年4月から5回の役員会、意思統一のための宮城県気仙沼市への研修及び隊員に対する共同購入活動説明会、設置促進街頭広報活動等を実施し、共同購入に係る当初の活動期間を平成22年11月9日~平成22年12月末として各世帯を個別訪問して共同購入活動を実施した。その後も追加注文や問い合わせがあったことから、活動期間を平成23年3月末まで延長して実施した。
- 2. 入札により大量に購入することで、一個当たり税込み1,575円(煙式)と安価に斡旋できた。
- 3. 文書により町内の行政区長及び民生児童委員に共同購入活動の協力をお願いした。
- 4. 隊員が各家庭に住宅用火災警報器の斡旋ちらし兼注文書を配布し、受注、物品の納品及び集金を実施した。
- 5. 共同購入活動を実施した結果、7,985個の斡旋を行った。
- 6. 事業開始前の平成22年10月末日現在の設置率が39.23%、平成23年3月末日現在で79.78%と驚異的に設置率を向上することができた。(盛岡地区広域消防組合構成市町村トップの設置率)
役員会
説明会
量販店街頭広報
PRのぼり旗
苦労した点
- 1. 入札により購入先が町外の業者となったが、12地区協力隊それぞれが懇意にしている業者を優先したいとの声もあった。
- 2. 隊員に注文書と注文一覧表の提出を依頼したが、チェックに時間を要した。
特徴
- 1. 住宅用火災警報器の設置の必要性について、町内全家庭に対して地域に根付いた立場から親身になって説明し、理解を求めた。
- 2. 共同購入による1個当たり税込み1,575円の破格値段を前面に出した。
- 3. 住宅用火災警報器ののぼり旗及び火の用心ののぼり旗、各100旗を購入し、各地区に配布した。
- 4. 町内の量販店で住宅用火災警報器のちらし入りテイッシュを配布した。
- 5. 隊員が町内有線放送で設置を呼びかけた。
- 6. マスコミに活動をPRし、新聞掲載などで設置促進を図った。
- 7. 隊員が戸別訪問するときは、半てんを着用し、婦人消防協力隊の活動をPRした。
- 8. 高齢者家庭等から警報器の取り付けを依頼される場合は、隊員が無償で取り付けした。
団体概要
昭和45年9月1日に、「紫波町婦人消防協力隊連絡協議会」が発足後、昭和55年3月11日に、現在の名称である。
「紫波町婦人消防協力隊連合会」と改称されており、町内全12地区の婦人消防協力隊により組織されている。
連合会の会員は、原則として町内全戸加入であるが、平成23年4月1日現在の隊員数は、738名である。
実施期間
平成22年4月~平成23年3月