第14回防災まちづくり大賞(平成21年度)

地域と共に活動する大東文化大学レスキューチーム

優良事例(一般部門)
地域と共に活動する大東文化大学レスキューチーム

大東文化大学レスキューチーム
(東京都板橋区)

事例の内容

■経緯

 大東文化大学では、平成20年度から「持続可能な都市社会・高島平をめざして」をスローガンに高島平団地の地域活性化を図る試み「高島平再生プロジェクト」を行っている。その活動の一環として、高島平団地の24室を借り上げ、実際に学生が入居して様々な地域活動を行う「環境創造型人材」の育成を進めており、災害から地域を守るため、団地に入居している学生が災害時支援ボランティアに登録するとともに、大東文化大学レスキューチームを結成している。この取組は、学生たちで構成される高島平再生プロジェクト実行委員会で決定し、平成20年5月18日に発足した。

■内容

 平成20年5月の発足以来、災害に係る知識や技術の向上を図るため、消防署の指導の下に訓練や講習会を実施するとともに、板橋区花火大会の警戒に従事したり、高島平駅前で開催した防災フェアでは、地域住民に消火器の取扱指導や応急救護の指導にあたるなどして、他の災害時支援ボランティアとともに地域の防災力向上に貢献している。
 また、高島平団地内にコミュニティーカフェを開設し、常時地元の高齢者などと触れ合いを図ることや、団地自治会で実施している「助け合いの会」への参加等、高齢者の支援活動や団地内のパトロールなども、レスキューの活動の一環として行っており、こうした活動は、テレビ、新聞などでも紹介された。
 大東文化大学レスキューチームは14名で編成されていたが、平成21年度は新たに10名が加入し、24名で活動している。チームの中には15名の留学生もいる。
 学生は、学科等が異なるため訓練の日程調整などに苦慮しているが、なるべく多くの参加が得られるよう調整を図っている。また、参加できなかった学生に対しては、後日、参加した学生が訓練等の指導を行っている。

■成果

 日頃からの地域の方々との触れ合いは、災害時における重要な情報源となり、迅速な災害活動を行う上で大きな成果となるものである。
 また、若者の防災への関心の薄さが指摘されるなかで、今回の大東文化大学レスキューチームは、若者による学校と地域との連携活動の新しい手本となっている。
 1年が経過して発足当時の学生も一部卒業しているが、新たな学生の参加希望も増えており、新たな形の地域密着型の防災組織としての活躍が期待される。

救助救出訓練

傷病者搬送訓練

心臓マッサージ

ホース巻き

放水訓練

苦労した点

 発足にあたっては、高島平再生プロジェクト実行委員会の満場一致で大東文化大学レスキューチームが発足したもので、現在はやる気に満ちており苦労した点はない。  1年が経過して発足当時の学生も一部卒業しているが、新たな学生の希望も多く、ボランティアへの登録希望者が増えているが、一同に集まっての訓練の日程調整が難しい。

特徴

 高島平団地に大学生たちが入居し、地域のコミュニケーションの活性化を図るとともに、災害から地域を守る大東文化大学レスキューチームは、大学生による新たな地域防災力となっている。

団体概要

 高島平再生プロジェクト実行委員会で編成された大東文化大学レスキューチーム
 高島平団地入居学生24名
 平成20年5月18日発足

実施期間

 平成20年5月~