優良事例(一般部門)
地域防災力強化に貢献する千葉科学大学学生消防隊の活動
千葉科学大学学生消防隊
(千葉県銚子市)
事例の内容
平成15年千葉県銚子市に千葉科学大学は危機管理学部、薬学部を擁して開学した。千葉科学大学学生消防隊(以下学生消防隊と称す)は開学の翌年平成16年5月に学生自らの手によって発足した。地域防災力の要は消防団であるとの認識の下、銚子市消防団の全面的なバックアップにより、組織化、訓練などが行われてきた。そして、今日、銚子市消防団が抱えている諸問題を、学生消防隊ならではの能力を活用して対応していくことが、銚子市消防団の機能強化につながり、しいては地域防災力の向上に貢献できると、銚子市消防団、学生消防隊はともに同じ考え持って、日常の活動を続けている。さらに、学生消防隊の隊員は学生という、現在勉強している立場であるが、学生消防隊の活動を経験した学生は、卒業後それぞれ地域や職域での防災リーダーとして、その役割を担うことができる。経験を積み重ね、市民の認知度が広まってきた学生消防隊においては、近年、地域の関係機関などと連携した様々な防災活動、イベントの協力活動がたびたび実施され、市民からの信頼感の醸成に大きな成果が上がっている。災害発生時に地域の住民と、関係行政機関の間に若者による防災組織が存在することは、地域の防災力を大きく高めることとなる。この若者による防災組織のモデルとして学生消防隊が銚子市で活動している。今年に入ってこのような学生による防災組織の連携を図ることを目指し、さらに多くの大学で創設されることも目指しさまざまな活動を開始したところである。以下主な活動例を列挙する。
- 1. 銚子市消防団との合同訓練を実施し、消防団操法大会にオープン参加をしている
- 2. 火災現場など消防団の活動に対する後方支援活動、とくに活動報告書の作成に際しての情報処理部門でのバックアップ
- 3. 台風来襲時に消防団と連携し、銚子テレビ(地元CATV)の防災放送制作に協力
- 4. 千葉県、銚子市などの防災訓練に参加(平成21年第30回八都県市防災訓練参加)
- 5. 小学校などで防災教室の開催
- 6. 地域の祭礼やイベントでの雑踏警備
- 7. 中学校駅伝大会での救護活動支援
- 8. 大学内での防災啓蒙活動
- 9. HPを活用した防災情報の発信
覚書調印式覚書調印式
実践操法大会
放水訓練デモ
学生消防組織シンポジウム
第30回八都県市合同防災訓練
苦労した点
台風警戒や交通整理など学外で危険が伴って展開される活動がたびたびある。この学外での活動時に発生したけがなどの対応をどのようにするかといった、補償制度が確立されていない。よって大学や各関係機関による制度作りに苦労をしている。現在もより良い枠組みを作るために鋭意努力中である。
特徴
学生消防隊は学生によって構成されている防災組織である。これらの学生は大学を卒業すれば全国に展開し、それぞれの地域、職域で生活することになる。そしてこの学生消防隊で習得した様々なスキル、さらには災害発生時に行動を起こす住民としての使命感を維持している学生たちは、間違いなく防災リーダーとしてその任務を遂行すると確信する。当然地元銚子で大規模災害が発生した時、学生消防隊は市民の生命財産を守る一翼を担うことができる。
団体概要
学内ではサークル団体の一つとして登録されている。
平成19年銚子市消防団、千葉科学大学、学生消防隊3者により「地域の防災や安全確保のための協力」について覚書が調印された。
現在隊員数は19名(男14名、女5名)で構成され、うち5名は銚子市消防団員として任命されている。
- 学生消防隊公式HP
- URL:http://www12.atwiki.jp/cisfireunit/
実施期間
平成16年5月~