優良事例(一般部門)
わたしが出来ること、みんなが出来ること~ 防災体験学習 地域を知って、備えよう! ~
当別町立弁華別中学校
(北海道当別町)
事例の内容
■経緯
<平成19年度>
- 1. 授業(理科)において、災害に関する新聞記事や断層模型等を使用し、各自レポートを作成。
災害や当別断層についての資料を収集し、「災害」・「防災」について学ぶ。 - 2. 「防災学習」については、地元航空自衛隊や当別町(防災担当)の協力を得て、災害時の支援活動について学び、地域交流を図るとともに、地域とのふれあいの大切さを学ぶ。
(初期消火体験、応急処置体験、救命体験、炊き出し体験、非常食体験等)
<平成20年度>
- 3. 地元当別消防署や当別町(防災担当)の協力のもと、普通救命講習やDIG(災害図上訓練)を通し、地域を知ることから始め、次に自分たちが出来ること、みんなが出来ることを学び、地域交流とあわせ各種の体験を行った。
(災害図上訓練、初期消火体験、応急処置体験、救命体験、炊き出し体験、非常食体験等) - 4. 地元当別消防署や当別町(防災担当)の協力のもと、全学年による普通救命講習やDIG(災害図上訓練)を通し、地域を知り、自分たちが出来ること、みんなが出来ることについて学習を行った。
(災害図上訓練、応急処置体験、救命体験)
<共通>
- 5. 宿泊は、地域の収容避難所でもある体育館に寝泊りをし、食事は非常食や「総合学習」で育てた野菜を収穫し、炊き出し体験を行った。
■内容
- 1. 「救命医療情報ポスト」は、プラスティック製の円筒容器で、中には、居住者全員の氏名及び生年月日などを記載した「救命情報安心家族カード」と個人のかかりつけ病院や既往症などの医療情報と緊急連絡先などを記載した「安心カード」を入れ、冷蔵庫に保管するものである。
- 2. 大規模災害発生時に、倒壊建物の居住者を特定するためのデータとして活用する。
- 3. 通常時は、緊急通報装置との連動により、救急隊を要請した場合、傷病者が自ら自分の医療情報を伝えられない状態の時に救急隊が活用する。
- 4. 「救命医療情報ポスト」の情報は、個人情報であることから、取扱い及び閲覧等について、町内会独自の要綱を定めて厳正に取り扱うこととした。
- 5. 各戸に配布を開始する時には、テレビや新聞の取材を受けた。また、報道された後には、他の町内会や各種団体から導入に向けた問い合わせが多数寄せられた。
- 6. 実施開始日は9月1日の防災の日とし、また、全世帯における災害弱者情報を地域で共有可能となり、地域の防災意識を高くした。
防災マップを活用して防災学習
消火器体験
心臓マッサージとAEDを使用し救命体験
はじめての非常食体験
避難所生活体験
苦労した点
「防災」をテーマに地域に密着した内容で取り組んでいるが、計画段階、資料収集、関係機関との調整等に試行錯誤した。
レポート発表や体験学習でのふりかえりをとおし、「防災」という視点から地域との係りにどのように生かしていくか、また展開していくか、課題が残されている。
特徴
- 1. 授業(理科)やDIGを通し、地域を知る(地域に存在する「当別断層」や防災体制など)ことが出来た。
また、新聞記事等を使用し各地で発生した災害や地域の現状など各自レポートを作成し、地域を題材とした授業を行うことで、より生徒達の関心度及び理解度も高まった。
(模型を作成し断層のしくみを学習する生徒もいた。) - 2. 自分達の住んでいる「地域」を知ることで「どのような対処や備えが必要なのか?」など、地域にあった「自分たちが出来ること、みんなが出来ること」の学習が出来た。
- 3. 実践的な「防災学習」として、地元航空自衛隊や当別消防署、当別町(防災担当)の協力を得て、災害時の支援行動や自助・共助について学ぶとともに地域交流が図られた。
- 4. 食事や体育館(収容避難場所)での宿泊は、避難生活を体験するうえで自覚と協力、思いやりや公共心などを養うことが出来た。
※食事は「総合学習」で育てた野菜を使用し、収穫の喜びと「食」の大切さを学んだ。 - 5. 地域にあった防災教育の実現と教育機関と町、防災関係機関との交流・連携が図られた。
団体概要
当別町立弁華別中学校全校生徒:23名(平成21年9月1日)
(うち1年生 8名、2年生 7名、3年生 8名)
【参考】通学区内町内会(弁華別、茂平沢、みどり野町内会)
- 世帯数
- 332世帯(平成21年9月1日現在)
- 人口
- 784人(平成21年9月1日現在)
実施期間
平成19年~