応援メッセージ
「不便な思いはしているが、不幸ではない」 これは震災から半年後のあるイベントでの私の一言だった。グランドから避難所そして仮設住宅へと移り、豪雪を乗り切っての春のことだった。
生きていることが精いっぱいの中では、自分を着飾る気持ちなどなくありのままの自然体で日々生き抜くことが必死だった。
仮設住宅に入居するとき、玄関が狭い!壁がどうこう、と不満の声が聞かれる中、ある人が「タダで家を与えてもらえるのだからそれだけで俺は十分有難い。」とぽつり。「そうだよな」と思えた。
不安な気持ちは絶えることはなかったが、些細なことにも感謝し、その気持ちを積み重ねていったら前向きになれる自分がいた。そうしたら「過去は過去、悔いても戻ることはできないし戻ってこない」とふんぎりをつけないと前に進めないことにも気づいた。
震災にあったことで、巡り会った人たちや物との関わりを大切にしていったら、元の生活に戻ることができただけでなく、そこに新たな日常が生まれてきた。また生き方を考え直すきっかけにもなった。
今なお被災されている方々に平穏な生活を送れる日がくることを願わずにはいられない。
(平成24年12月)