コロンビア地震
V 活動終了から帰国まで
1 活動終了
(1)資機材無償供与
1月29日の会議の結果、救助活動を終了することとなり、携行したJICA保有の資機材のうち、シビル・ディフェンスと、この度の地震災害で大きな被害をうけた現地のアルメニア市消防本部が希望するものを供与することとなり、1月31日にシビル・ディフェンスの本部で供与式が行われた。
(2)アルメニアからの引揚げ
IRTは、アルメニア入りして5日後の1月31日早朝に、アルメニア空港から軍の航空機(C-130)でボゴタへと向った。
アルメニア市の消防長は、IRTを見送るため空港へ駆け付け、深く感謝の言葉を述べると共に、別れを惜しんで涙の見送りとなった。
(アルメニア消防署は地震により倒壊し、職員8名死亡、10名負傷、消防車両15台全壊という被害を受けていた)
倒壊したアルメニア消防署
アルメニア空港にて
(中央がアルメニア市消防長)
2 サンタ・フェ・デ・ボゴタ滞在期間中(1月31日~2月2日)の活動
- (1) 帰国のための準備
- (2) IRTの活動に関する検討会
- (3) 国際緊急援助隊救助チーム(JDR)全体に関する検討会
- (4) コロンビア政府の国家災害対策本部への活動報告
- (5) 外務省、コロンビア駐在日本大使館への表敬訪問及び活動報告
(コロンビア駐在日本大使である浅見大使の公邸において慰労会が開催され、大使から、各隊員の献身的な活動に対する、ねぎらいと国際貢献への感謝の言葉を頂いた。)
3 コロンビア出国・帰国
- (1)出国
2月2日午後ホテルを出発し、ボゴタ空港からニューヨーク経由で日本への帰国の途についた。
ニューヨークでは、飛行機の乗り継ぎの間、ホテルに入り数時間の休憩が予定されていたが、JFK空港付近が濃霧のため、一旦フィラデルフィア空港に着陸して天候回復を待つこととなった。
これによりニューヨークの到着が約3時間も遅れ、ホテルでは充分な休憩もとれずに空港に戻り、日本に向けて離陸した。 - (2)帰国、JDR解団式
派遣から10日目の2月4日午後3時35分、IRTは成田空港に到着した。
空港では消防庁、各消防本部の関係者のほか、多数の報道関係者の取材も待機していた。
空港の特別室において国際緊急援助隊救助チームの解団式が行われ、白川団長から今回の派遣に関する活動結果と、隊員への感謝の言葉が述べられた。
また、解団式の席には、コロンビア駐日大使が同席され、隊員一人一人に自ら記念品を手渡しつつ、この度の救助チームの活躍に関して感謝が述べられた。 - (3)IRT解隊式(自治省消防庁)
IRTは、解隊式を行うため午後7時30分自治省消防庁のあるJTビルに到着した。
解団式に先立ち、短時間ではあるが、活動報告を兼ねて消防庁長官を初めとする自治省消防庁幹部と隊員の懇談の場が設けられ、活動の概要・派遣中の生活環境や苦労話等が話題となった。
解隊式では、北出副団長から野田自治大臣に対して派遣活動及び帰国報告がなされ、大臣からはIRT隊員の活躍に関して、ねぎらいの言葉が述べられた。
自治省消防庁(現総務省消防庁)でのIRT解隊式