コロンビア地震
I 地震発生から現地入りまで
地震災害の概要
コロンビア共和国・アルメニア市の概要
派遣の決定から出国まで 往路・被災現地まで
4.往路・被災現地まで
1 ロサンジェルスでの乗り換え
往路は、ロサンジェルスで乗換えてメキシコシティ経由でコロンビアに入るものであった。
シンガポール航空の機内では、行動予定等の確認のための会議を行うとともに、十分に休養をとり現地での活動に備えることとした。
ロサンジェルス空港に到着後、アビアンカ航空に乗り換えるため、資器材等の荷物を積み替えたが、約160個からなる全荷物の確認作業に約1時間を要した。(この後、現地まで度重なる乗り換えの際に、非常に手間取ることとなる)
IRTは一旦ホテルに入り、休息と食事をとった後、代表者による対策会議を実施した。この会議において、外務省及びJICA職員から、現地入りするまでの行程や被害状況等の説明があったが、現地の被災情報は不足しており、又、ホテルのテレビでは被災地のニュースは放映されておらず画像情報は入手できなかった。
2 アビアンカ航空の機内
搭乗したアビアンカ航空機にはコロンビアの新聞が積み込まれており、報道写真やスペイン語の堪能な団長(外務省の緊急援助室長)が読み解く新聞記事から、倒壊建物の破壊状況や市街地の状況等を掌握し、被災現場での救助活動のイメージ固めが行われた。
3 ボゴタからアルメニア市まで
成田空港の出発から27時間16分後(発災後、41時間33分)、コロンビアの首都ボゴタに到着したIRTは、ボゴタ空港から軍用機C-130輸送機に乗り換え、約40分の飛行時間でアルメニア空港に到着した。
アルメニア空港のターミナルは屋根の一部が損壊し、空港周辺には被災した多数の住民が集まっており、被災地に近づいたことを実感した。
当初、空港から活動現場となるアルメニア市の中心部までは車両による移動を予定していたが、平常時には約30分程度の行程が、地震後の交通混乱のため3時間以上かかる見込みとのことから、急遽市の中心部付近にある軍の基地まで、軍用ヘリコプターを利用して人員・資器材を輸送(合計6往復)することとなった。
軍用ヘリコプターに搭乗して上空からみたアルメニア市内は、市の中心部に近づくに従い、倒壊建物が目立ちはじめ、木造住宅がほぼ100%全壊している区域も見られた。また、所々でがけ崩れが発生しており、軍関係者の話では、道路の寸断個所もあるとのことであった。
4 被災現地での活動
ヘリコプターによる人員・資器材の輸送を完了した後、資器材を点検し、トラックへ積み込んで、現地政府からIRTの活動区域として指定された市役所周辺へ向けて出発した。
渋滞する道路を現地まで約1時間走行したがその間に、飲料水や防塵マスクを求められるなど街中の混乱振りが窺われ、また、我々が日本から来た救助隊と知った多数の住民からは拍手で迎えられ、隊員は「瓦礫の中に埋もれ、助けを求める人を一人でも多く救出する」という決意を新たにした。
IRTは市役所周辺の活動区域に到着し、直ちに活動を開始した。
発災後50時間足らずで救助活動に着手したが、地球のほぼ真裏にあたる日本が、海外からの救援チームとして最先着のアメリカチームと変らぬ時間で駆け付けたことは、被災現地の人々に大きな称賛を受けた。
C-130への乗り込み
軍用ヘリによる資器材輸送