アルジェリア地震災害
地震の概要 被害状況 派遣要請 派遣期間等
派遣隊員 活動概要 活動の詳細(1) (2) (3)
主な救助活動資器材 今回の派遣の特徴
7.活動の詳細
(2)現地での活動状況
現地のアルジェリアにおいては、先遣隊の先導のもと第一陣の残り14名が活動現場に到着したのは現地時間で23日19:20(日本時間24日3:20)でした(既に地震発生からほぼ48時間が経過)。現場は首都アルジェから東方約60kmの海岸沿いの村ゼンムリ・エル・バリにあるバンガローも付属する海岸に面する複合型ホテルで、6階建ての2棟のうちの1棟がほぼ完全に崩壊した状態でした。
先遣隊が現場で収集した情報によると、この時点で5人程度が生き埋めになっているとのことでした。第一陣全てが現着したときには、既にルクセンブルグとドイツのチームが捜索を行っていましたが、諸般の事情からどちらのチームも撤退することになったため、日本チームが引き継いで捜索活動を開始しました。トルコチームも同じ現場にいたものの既に救助活動を中止していました。ところが、日本チームが夜を徹して作業を続けることを知りトルコ側から共同で作業することを提案してきたため、交代で作業を行うこととしました。予定では現地時間23日21:30まで日本チームが捜索活動を行い、その後トルコチームと交代することとなっていましたが、同時刻になって交代のため機材を片づけて撤収しようとしたときに日本チームの1人(海保の隊員)が人の声らしきものを耳にし、生存者がいることが確認できたため、日本チームは救出活動を続行することとしトルコチームと連携して作業に当たりました。
懸命の救出作業の結果、現地時間23日23:59に無事男性1名の救出に成功しました。その後も日本チームは救助活動を続けていましたが、現地時間の4:10に第二陣が現場に到着したので5:00から当初の予定どおり3小隊(消防庁、警察庁、海上保安庁の隊員による1小隊11人からなる3つの混成チーム)に分かれて救助活動を再開しました。残念ながら、この後は生存者を救出することはできませんでしたが、地元軍からの申し出により軍と連携して救出活動に当たることができ、現地時間13:55に男性1名遺体で救出(11:35発見)、現地時間18:30には2体目の遺体を救出(16:30発見)しました。この日の現地時間20:00過ぎ(既にこの時点で地震発生から72時間以上経過)には一旦救助活動を切り上げて首都アルジェのホテルへと向かいました。第一陣にとってはパリでのトランジット以来約43時間ぶりの睡眠となりました。
翌日は現地時間25日9:50に前日と同様に軍と連携しながら救助活動を再開しました。この日も生存者は救出することはできず、現地時間15:23に3体目の遺体を救出(13:26発見)、現地時間15:31に4体目の遺体を救出(14:22発見)、現地時間20:10に5体目の遺体を救出(16:21発見)し、当該活動現場において生き埋めになったと思われる全ての人の救出を完了しました。