平成16年12月29日スマトラ沖大地震及びインド洋津波災害

活動経緯12月31日~1月2日

スマトラ沖大地震及びインド洋津波災害

地震の概要
派遣期間・派遣(活動)場所・派遣隊構成
活動経緯12月29日~12月30日
活動経緯12月31日~1月2日
活動経緯1月3日~1月4日
活動経緯1月5日~1月6日
活動経緯1月7日~1月8日
活動場所周辺の地図等

5. 活動経緯12月31日~1月2日

○ 12月31日(水)

(1) ナムケム村

 前日の捜索活動時に住民より、家族2名(父親、叔母)が埋まっている可能性があるとことから、当該場所においてチェーンソー等の機材を用いて捜索活動を開始。約2時間の捜索活動を行ったが、家畜の死骸しか出てこなかったため、家族に説明のうえ、活動場所を変更することとした。その後、ナムケム村周辺の先遣を行ったが、重機による瓦礫の除去作業が進行する中、遺体の多くは、露天掘りの鉱物採掘上等の水中に多くあることが予想され、ポンプによる水の汲み上げが行われない限り捜索活動は困難であることから一端バンブアム小学校へ撤収。

ナムケム村における捜索・救助活動

(2) ピピ島
ア ピピ島先遣隊

 先遣隊による調査の結果、重機による周辺整理が必要であることから、近隣にて重機作業を実施中の軍関係者に協力を要請。午後より日本人家族の被災場所と想定される位置の重機作業と救出作業を開始することとした。午後1時、救出活動開始直後に遺体2体を発見。午後2時半頃、日本人の遺体であることが確認された。なお、酷暑の中の作業をこれ以上継続し同日中にもう一人の家族を救出することは困難であることから、指揮本隊に対し後続部隊の派遣が要請された。

イ ピピ島応援隊

 日本大使館の計らいにより、団長以下、総勢18名が、シンガポール空軍ヘリにより第1ゾーン対策本部からピピ島へ移動することとなった。午後5時51分、応援隊は先遣隊とピピ島ヘリポートで合流。タイ側による24時間体制による捜索活動は行われなくなったことから、応援隊中の8名を島内のホテルに残し、その他はプーケットへ撤収。

○ 1月1日(土)

 ピピ島泊組の8名は、カバナホテル内に指揮本部体制を整えた後に現場に向かい、午前8時より活動開始。本隊は、プーケットから日本人家族とともに午前8時45分ピピ島に到着し、ピピ島泊組と合流。午前中に6体、午後に2体、計8体の遺体を救出。日本人家族による確認を行ったが身元確認には至らなかった。

○ 1月2日(日)

(1) 救助機材整備

 隊員は、ホテルにおいて、ナムケム村及びピピ島における捜索活動によって活用した機材の整備・調整作業、消耗品の補充を行った。

(2) タクアパー郡長への活動中間報告、消防ヘリによる被災地確認

 団長以下8名が、消防ヘリ2機により、プーケットからタクアパー郡に向かい、同郡長との面談並びに第1ゾーン上空からの被災状況確認を行った。

ア タクアパー郡長(郡災害対策本部長)への活動中間報告・捜索活動に係る情報収集

 郡内での捜索活動の現状について説明を求めたところ、郡長からの説明要旨は以下のとおり。現在、捜索と瓦礫除去・整地の二つの作業を並行して行っている。遺体を全て捜索したことを確認し、終了した場所に旗を立てることにより信頼を得たいと考 える。兵士2千名、ボランティア2千名の計4千名を投じて人海戦術を進め、捜索は残り10%以下、整地作業は80%終わっている。また、避難民のための仮設住居を2千棟建設する予定。コウカウ島南部のホテル近くの池とスズの露天掘り発掘場で、溜まっている水の中に不明者がいると思われることから、水を汲み出して対応しているとのこと。

イ 上空からのタクアパー郡被災状況確認

消防ヘリに郡長が同乗し、ナムケム村、コウカウ島の上空から、整地状況、露天掘りスズ発掘場の状況を確認。

鉱山(露天掘りでスズを産出)には多くの遺体が残されているとのこと。

沿岸地域の被害地上空を飛行する消防ヘリコプター(カオラック上空)