平成16年12月29日スマトラ沖大地震及びインド洋津波災害

活動経緯12月29日~12月30日

スマトラ沖大地震及びインド洋津波災害

地震の概要
派遣期間・派遣(活動)場所・派遣隊構成
活動経緯12月29日~12月30日
活動経緯12月31日~1月2日
活動経緯1月3日~1月4日
活動経緯1月5日~1月6日
活動経緯1月7日~1月8日
活動場所周辺の地図等

5. 活動経緯12月29日~12月30日

○ 12月29日(水)

 成田空港にて、団長以下49名の隊員のほか、外務省、警察庁、消防庁、海上保安庁及びJICA関係者出席のもと結団式を実施。

○ 12月30日(木)

(1) 活動拠点の調査・選定

 日本大使館とタイ軍間の事前協議に基づき、タクアパー郡内の活動候補地を先遣 することとなった。

ア タクアパー郡対策本部(郡長等)との協議

 午前4時半、タクアパー郡に向けてプーケットのホテルを出発。約2時間半をかけてタクアパー郡役場に到着。同郡内救援活動の調整責任者から、郡内の救援活動の現状についてブリーフィングを受けた。郡内被災地域は南北25Kmの海岸線で、第1から第5ゾーンに分類され、担当機関を定めて救助活動を実施している。第5ゾーンは概ね捜索活動を終了、被害が深刻な第3・4ゾーンにはタイ軍及び台湾等の海外チームが活動中、第2ゾーンも自国チームが活動中。第1ゾーンは捜索活動が遅れていることから、日本チームの協力をお願いしたい旨先方より言及があった。


ゾーン 担当機関
1 天然資源・環境省(Ministry of National Resource and Environment)
2 タイ軍
3 タイ軍
4 タクアトゥン郡内務省(応援)郡警察

 特に、第1ゾーンにある漁村のナムケム村には横倒しになった漁船の下に人が埋まっているほか、マングローブが茂る湿地帯の捜索も難航しており被害が深刻である。また、北部のコウカウ島にはホテルや鉱物採掘所があり、捜索活動が十分進捗していない状況であるとのこと。

イ 第1ゾーン対策本部との協議

 第1ゾーン対策本部の責任者から、第1ゾーンにおける被災状況及び捜索活動の状況を聴取した。第1ゾーンは、22万5千ライ(1ライ=1,600m2)、被災前の人口は2千人程度、これに観光客が千人程度いたと推測される。 本ゾーンは、(1)本島(道路沿い)、(2)マングローブ、(3)島部(コウカウ島)の3つに分類される。これまで、(2)マングローブを除いて、(1)及び(3)において作業を進めており、これまで105人の遺体を収容。また、ゾーン内にスズの露天掘り採掘場があり、溜まった水の中にも被災者が残されているとのこと。

第1ゾーン対策本部

ウ 第1ゾーン被災地先遣

 ナムケム村の漁村とマングローブ地帯(2ヶ所)の先遣を行った。 漁村地域は、漁港や入江側から津波に襲われ、多くの家屋が倒壊し、漁船は陸に押し流されて倒れていた。その後、マングローブ地帯2ヶ所を調査。漁村側の住居がマングローブの生い茂る湿地帯に押し流されており、タイ側による捜索が行われていた。

エ 活動地域の決定

 救助隊の資機材を活用することを考慮し、ナムケム村の漁村地帯での捜索活動を行うこととした。

マングローブ地帯(湿地帯)での先遣調査(ナムケム村)

(2) ナムケム村・漁村地域における捜索活動
ア 捜索活動

 午後1時半から倒壊家屋の瓦礫下の不明者捜索を棒カメラ、チェーンソー等の機材を活用しながら実施。

イ インドにおける地震発生情報による撤収

 午後2時29分、同行しているマスコミよりインドにおいて地震が発生したとの情報があり、津波による二次災害の危険を回避するため、現地ベース(バンブアム小学校)に一時撤収。

漁村の奥まで押し流されてきた漁船(ナムケム村)

(3) ピピ島での捜索要請

 津波情報による撤収直後、日本大使館より、難を逃れた日本人少年の両親と弟がピピ島で行方不明となっており、家族より救助チームによる捜索を依頼された旨の連絡があった。移動手段として海上自衛隊ヘリとタイ海軍ヘリが確保され、副団長(海保)1、 救助15等の計18名が現地へ派遣された。

海上自衛隊ヘリによりピピ島への移動
(バンブアム小学校グランド)