平成9年10月22日インドネシア森林火災

(第ニ次国際緊急援助隊調査チーム) 活動の経過

インドネシア森林火災

派遣期間~活動概要 活動の経過 総括所感 活動写真

(第ニ次国際緊急援助隊調査チーム) 活動の経過

6.活動の経過

  • (1) 国際消防救助隊(30名)は、22日早朝東京から成田空港に向けマイクロバスで出発、同空港で、外務省、JMTDR、JICA、全日空整備の各隊員と合流し、国際緊急援助隊専門家チーム(43名)として同日11時25分全日空927便で成田を出発、同日夕方ジャカルタスカルノハッタ空港に到着。
    翌23日、BAKORNAS(国家災害対策本部)及びBPPT(技術評価応用庁)への表敬に併せ、インドネシア側関係者とヘリ到着後の組み立て等を含めた我がチームの活動に関する打合せを行った。
  • (2) 24日から2日間、27日に予定された式典とデモンストレーションの準備を行いながら、実際のオペレーションの任地であるランポン州へ先遣隊4名を派遣して、現地での受け入れ体制の準備を進めた。
    また、25日世界最大級の貨物輸送機「アントノフ」によって空輸されたヘリコプター2機の組み立てとテストフライトを行った。
  • (3) 27日10時からハリム空港で行われた式典とデモンストレーションに臨み、「イ」側政府関係者(関係大臣等)からの歓迎を受けるとともに、ヘリを使用したモニタリングのデモと消火機材等の指導を行った。
    デモンストレーション終了後、ランポン州へ出発(ヘリ2機は空路、他の隊員はバスで陸路)し、同日夜宿泊先でランポン州へ派遣した先遣隊と合流し、オペレーションに関する具体的な打合せを行った。
  • (4) 28日早朝、我がチームの活動拠点となるランポン空港へ出発、空港関係施設の事務室に空港指揮本部を設置し、実質的なオペレーションを開始した。
    オペレーションの具体的な内容は、ヘリコプターに搭載した赤外線ビデオカメラ等で森林火災の現場をモニタリングし、延焼範囲、速度、形態等の分析結果を情報提供することであり、即日その情報をランポン州災害対策本部(SATKORLAK)及びBPPT等に提供した。
  • (5) 更に、モニタリングを実施する中で、10月29日、30日の2日間、同じランポン空港を拠点として空中消火を行う豪州チームと連携し、我がチームがモニタリングした地点に豪州小型飛行機の誘導を行うとともに、散水のタイミングを指示する等の飛行機間による連携を行い、延焼火災地点の1カ所を完全鎮圧に導いた。
  • (6) 10月28日から11月6日の10日間に亘るモニタリング活動で、ランポン州において野焼き等の管理された箇所を除く26箇所の火災箇所を把握し、当該火災の分析と情報提供を行った。その間のヘリコプター2機の飛行回数は延54回、飛行延時間54時間、延搭乗人員302人であった。
  • (7) 更に、我がチームは、延焼の著しいランポン州東海岸付近のワイカンバス国立公園(13万ha)の泥炭層火災地域(8千ha焼損)にヘリを着陸させ、泥炭層の厚さ、延焼温度等の調査を行うとともに、そのサンプルを採取し同行した林業省関係者にも提供した。
  • (8) 11月6日ランポン州の概ね全域にわたるモニタリングを終了し、7日ランポン州副知事に我がチームの活動結果を提出するとともに、航空隊員と整備士をヘリとともにジャカルタへ帰還させ、ヘリ輸送のための主翼ローター取り外し等の帰国準備を、また、他の隊員は8日ランポン空港から飛行機でジャカルタに戻り、インドネシア側に提出する最終レポートの作成等に当たった。
  • (9) 11月10日インドネシア国家災害対策本部(BAKORNAS)に対し、我がチームの実施した調査活動についてレポートを添えて最終報告を行い、同日深夜ジャカルタスカルノハッタ空港を出発し11日朝成田着で帰国した。
    なお、ヘリコプター2機は、11月9日輸送機で成田に到着した。