パキスタン・イスラム共和国地震災害
地震の概要 被害状況 派遣要請・出発 派遣期間等
派遣隊員 活動の詳細(1) (2) (3) (4) (5) (6)
捜索救助活動中の環境 国際緊急援助の課題
おわりに
6.活動の詳細
(3)捜索救助活動2日目(10/11)
10月11日には、前日に引き続き地区本部病院(前=第1現場)において、昨晩遅くに到着したエンジンカッター等の大型機材を用いて進入路を確保し、または棒カメラを用いて内部を覗くことにより、要救助者の捜索を行いました。 途中に何度か、「ダーン」と遠雷のように響く音と共に大きな余震が起こり、その度に内部で作業中の隊員を緊急脱出させることを繰り返しながら捜索を続けるものの、正午過ぎに要救助者がないことを確認し捜索を終了しました。
その後、地区本部病院(後=第2現場)の捜索を開始し、病院関係者から聴取し作成した建物の見取図を基に、要救助者の可能性が高いと思われる部屋を優先的に捜索しました。
15時30分頃、地震発生時に当該建物の2階に勤務していた眼科医が現れ「長い地震の揺れの間に自分が2階の患者を誘導し避難させたので、建物が崩れたときには、ほぼ全員がその場から離れていた。生後18時間の新生児は死亡したが既に遺体は搬出したので、2階部分には要救助者はいない。」との具体的かつ詳細な情報を伝えたため、1階部分の2部屋を重点的に捜索しましたが、17時30分頃に要救助者がないことを確認し捜索を終了しました。
地区本部病院(後)での捜索救助活動
バターモリ集落での捜索救助活動
一方、同じ日の正午過ぎに、住民からベースキャンプから約13kmの山間部のバターモリ集落でも要救助者があるとの情報を得たため、捜索救助活動と並行しながら先遣隊が現地に向かいました。ベースキャンプに戻った先遣隊によると、バターモリ集落では壁が崩れて埋まったと思われる女性の家族から、概ねの場所を示した上で捜索について強く要望されたとのことでありました。この壁は、石ブロック造であるとのことであり、人が埋まった場合でも生存の可能性が完全には否定できないと考えられたため、明日の捜索救助活動サイトをバターモリ集落と決めました。