中国四川省における大地震災害
地震の概要 被害状況 派遣状況(1) (2)
活動状況(1) (2) (3) (4) 今後の課題等 おわりに
4.活動状況
(3) 被災地での活動(5/17~5/19)
翌5月17日(土)12時20分に第1陣と第2陣が合流した国際緊急援助隊救助チームは、綿陽市北川県曲山鎮へ向け移動を開始したが、地震による道路状況の悪化と交通渋滞から約10時間以上かけて現地に到着した。
綿陽市北川県曲山鎮の北川第一中学校倒壊現場は校舎2棟からなり、教職員が利用する1棟は完全に崩壊状態で、もう1棟は1、2階が座屈状態であった。到着したのが深夜であり、投光器等を乗せたトラックが悪路の影響で到着が遅れている状況下、限られた資器材の中で生体反応を探りながら現場確認を実施した。
翌5月18日(日)朝からは本格的な捜索救助活動を実施、活動方針として北川第一中学校を主たる活動場所としつつ、部隊の一部を市街地捜索救助に向かわせた。
人命探査活動
人命探査活動
北川第一中学校では座屈した建物の中に多くの生徒が下敷きになっており、電磁波探査装置(レスキューレーダー)やエンジンカッター等を活用して捜索救助活動を展開した。
当該現場では中国の北京消防隊、綿陽消防隊等とともに活動を実施したが、この中には日本の消防機関で研修を受けた経験のある指揮官もいたことから、中国側と円滑な連携を保ちつつ、救助活動を実施することができた。
同日9時15分に最初の遺体を発見・収容し中国側へ引き渡すこととなったが、残念ながら生存者の救出には至らず、同地では最終的には13名の遺体を発見・収容することとなった。
他方、市街地捜索救助に向かっていた隊は救助犬等とともに人命探査した結果、生存者の発見には至らず1名の遺体を発見・収容した。
北京消防隊及び綿陽消防隊との連携
曲山鎮街中捜索現場
翌5月19日(月)は前日に捜索救助活動を行った市街地での活動を予定していたが、地震により形成された市内上流堰止め湖に決壊の危険があるとの情報を得たため、中国側と協議し、この日の活動を中止することとした。
その後、同日深夜中国側と調整した結果、国際緊急援助隊救助チームは中国国内での捜索救助活動を終了し、5月21日(火)に帰国することとなり、同日をもって今回の派遣活動は実質的に終了となった。