平成20年5月15日中国四川省における大地震災害

活動状況(2)

中国四川省における大地震災害

地震の概要 被害状況 派遣状況(1) (2)
活動状況(1) (2) (3) (4) 今後の課題等 おわりに

4.活動状況

(2) 被災地での活動(5/16)

 第1陣は北京を経由して現地時間5月16日(金)2時23分に成都空港に到着、中国側警察先導により、広元市青川県へ向けバスにて移動を開始した。約6時間以上の移動の末、中国側から活動サイトとして指示された青川県関庄鎮に到着し活動サイトを確認したところ、同地は地震による土砂崩れで村全体が完全に土砂に埋まっている状況であった。

 日本の救助チームは都市型捜索救助資機材を重点的に携行しており、隊の規模・能力等を勘案すると、このような大規模土砂災害現場で効果的な救助活動を行うことは極めて困難であったので、直ちに中国側と協議し、中国側の理解を得た後、生存者の存在する可能性の高いとされた同県喬庄鎮へ移動した。

 約4時間を要して到着した喬庄鎮の現場は、6階建ての病院職員棟が倒壊しており、3名(うち1名は生後2ヵ月の乳児)がその下で救助を求めているとの情報があり、直ちに捜索救助活動を開始した。

 東京消防庁からの携行資器材である電磁波探査装置(レスキューレーダー)、二酸化炭素探査装置(ライフエクスプローラー)を活用して生体反応を探るとともに、現地で借用した重機(ドラグショベル)で瓦礫を排除しながら徹夜で捜索救助活動を展開した。

 翌朝、母子(27歳と2ヵ月)の遺体を発見・収容し、親族に引渡すこととなったが、担架に収容した母子の遺体に対して、整列し黙祷を捧げる国際緊急援助隊救助チームの姿は、マスコミを通じて中国内外に報じられ、その厳正な規律と真摯な態度を高く評価する声がその後多く聞かれた。もう1名要救助者がいるという情報もあったが、これが未確認情報であった上、実際に生体反応が得られなかったことなどを勘案し、中国側と協議した結果、当該現場での活動を終了し、新たな活動サイトを約300km離れた綿陽市北川県とすることを決定した。

高度救助資器材の活用

喬庄鎮病院職員棟倒壊現場