平成21年10月1日インドネシア西スマトラ州パダン沖地震災害

今後の課題

インドネシア西スマトラ州パダン沖地震災害

地震の概要 被害状況 派遣先等 派遣状況
活動状況(1) (2) (3) (4) (5)
今後の課題 おわりに

6.今後の課題

今時派遣では、発災翌日の10月1日にインドネシア共和国政府からの正式な援助要請に基づき、同日11時30分に外務省から消防庁へ協議があり、11時30分に派遣元消防本部に派遣準備を要請した。併せて、集結時刻を同日19時と伝えたのが同日13時55分であり、集結時間までは約5時間とほとんど時間の余裕はなかった。その後、どの本部も集結時間に遅れることなく国際消防救助隊発隊式及び国際緊急援助隊結団式を円滑に執り行うことができたが、個人資機材の到着が遅れたため、急いで荷物を詰め替える場面も見られた。

今回は札幌市や福岡市からの派遣もあり、集結時間までに成田国際空港に到着することは重要な課題の一つで、時間との戦いでもあった。今後、遠方の消防本部から派遣される可能性も十分ありうるため、定期的な交通機関の運航スケジュール変更に合わせ、成田国際空港までの移動ルートや出動までのながれを各消防本部でシミュレートするなど、いざ派遣に向けた準備態勢を固める必要がある。

各国に先駆けて被災地入りし地震発生から約48時間と極めて短時間で捜索活動を開始できたことは良いものの、一番早く到着した国際捜索救助チームとしての役割を十分果たしたとは言い難い。国際的な救助チーム能力の向上を図るためには、今後は国連職員と共に災害評価・調整ができる人材育成に取り組む必要がある。

また、日本出国からジャカルタまでの間は、隊員も資機材も一緒に移動できたが、ジャカルタからパダンの間はそれぞれ別の飛行機で移動することになり、資機材のパダン到着が大幅に遅れてしまった。そのため、先遣隊としてパダン市内で活動した小隊は個人資機材による捜索活動となり、高度救助資機材等での活動が行えなかった。本来なら資機材と隊員とを同時に輸送できる事が望ましいが、初期活動に対応出来る機材をセット化して被災地入りと同時に活動出来るよう、今後外務省および国際協力機構(JICA)へ改善要望していきたい。