平成8年10月30日エジプト・アラブ共和国ビル崩壊事故

活動概要

エジプト・アラブ共和国ビル崩壊事故

災害概要 活動概要
救助活動に使用した資機材(主なもの)
派遣隊員 派遣等経過 活動総括
今後の課題と検討事項 総括所感 活動写真

2.活動概要

  • (1)エジプト側の活動状況
    • ア カイロ県消防隊及び軍レスキュー隊等が救出活動を実施しており、日本チーム到着前に残存部分等から24名が救助されていた。
    • イ 崩壊建物は、鉄筋の入ったコンクリート片やレンガ等の瓦礫、砂等で、高さ10メートル以上堆積しており、救出活動は一部電動鋸等が使用されていたが、他に救助資機材はバール等で、ほとんどの隊員は手作業で活動を行っていた。
      なお、瓦礫等の除去作業にあわせ、一部シャベルカー等重機による活動も行われていた。
  • (2)日本チームの活動状況

部隊編成


  統括 隊長 隊 員 ○は班長  
A
チーム
鵜澤
(ケ)

(シ)
A ○森(ケ)、小野瀬(ケ)、長岡(ケ)、日笠(ケ) 11名
C ○山崎(シ)、大塚(シ)、 工藤(シ)、 井上(シ)、 保坂(カ)
B
チーム

(シ)
谷山
(カ)
B ○柳下(ケ)、 有川(ケ)、 金輪(ケ)、 川端(ケ) 11名
D ○日野(シ)、 尾崎(シ)、 相田(シ)、 角田(カ)、 小郷(カ)

2チーム4個班編成とし、1チーム8時間のローテーションにより、24時間体制の救助シフトで活動を実施した。

  • ア 到着後、現場最高責任者(ナーデル消防長官)と打ち合わせ、日本チームの役割、任務等について協議を行う。また、全隊員と現場確認を実施する。(生存の可能性の高い箇所(1階クリニック座屈部分)の検索救助活動を最重点とする)
    • ・電磁波探査装置、ファイバースコープ等を使用した人命検索活動
    • ・エジプト側の活動を含め全ての活動を中断させ、数カ所電磁波装置により測定するも要救助者の検出なし。
    • ・ファイバースコープによる検索は、瓦礫の中の状態が砂状で間隙少なく、活動は困難を極めた。数カ所の検索するも要救助者の発見なし。
  • イ 前アの活動終了後は、エジプト側の活動と連携し、コンクリート等瓦礫の破壊・除去を継続しながらの検索救助活動を実施する。
    • ・エンジンカッター、レスキューツール、ストライカー等を使用した検索活動
    • ・日本チームが中心となって救出した人員5名(死亡)
  • ウ 崩壊ビル残存部分の崩落と瓦礫の落下危険、粉塵・異臭の中での救助活動であり、隊員の安全と二次災害の防止に最大の注意を払い活動に当たった。
  • エ 延べ活動時間は、3日間61時間であった。