平成3年5月15日バングラデシュサイクロン災害

はじめに

バングラデシュサイクロン災害

はじめに バングラデシュサイクロン災害の状況
国際消防救助隊の構成と携行資機材
行動日程 救助活動 各国救助隊の様子
隊員の手記から

はじめに

平成3年4月29日から30日にかけてバングラデシュを襲ったサイクロン災害の発生直後から、ベンガル湾上の離島の住民への救援のため、バングラデシュ政府は世界各国へヘリコプターを伴った救助隊の派遣を含む協力を呼びかけた。
 この要請に基づき外務省はヘリコプターを中心とする国際緊急援助隊の派遣を決定し、5月9日消防庁長官へ協力要請を行なった。
 消防庁長官は直ちに東京消防庁へヘリコプター派遣の可否について打診し、東京消防庁からは以下の要望があった。

  • 1.海外での飛行は初めてのことであり、安全運行のため派遣するヘリコプターは複数であることが必要である。
  • 2.被災国の被害状況が明らかでないため、実際にヘリコプターが役立つのか活動の目的を明確に示すこと
  • 3.被災地は衛生状態がきわめて劣悪とされていることから、医師、看護婦を同行させること
  • 4.ヘリコプター整備のため全日空整備の社員を同行させること

 自治省消防庁では外務省ほか関係機関等と協議を行い、東京消防庁に加え大阪市消防局ヘリコプターを当番表に基づく救助隊員20名ととも派遣することとし、ここにわが国で初めての航空部隊を伴った国際消防救助隊が派遣されることになった。