インドネシア西スマトラ州パダン沖地震災害
地震の概要 被害状況 派遣先等 派遣状況
活動状況(1) (2) (3) (4) (5)
今後の課題 おわりに
5.活動状況
(2) 被災地での活動(10/2)
10月2日(金)(以下現地時間)
3時55分JDR救助チームはジャカルタ・スカルノ空港に到着し、乗り継ぎのため、隊員と救助犬は、バスでハリム空港へ移動、ハリム空港で乗継便を待つ間、先行してパダン市内入りしていたJICAインドネシア事務所の先遣隊員からパダン市内の状況について説明を受けた。
現地での説明を受けた後、隊員と救助犬はパダンへ向けハリム空港を出発。パダン空港において、ジャカルタから別便となった救助資機材を積載した飛行機の到着が遅れることが判明した。
チーム本体はパダン空港で待機し、一部の隊(団長、副団長(消防、JICA)、第一中隊長、メディカルマネージャー)をパダン市内に先遣することとしたが、被災国災害対策本部において救助サイトの選定に関する調整活動が実施されていないことから、国連災害評価調整チームやスイスチームと協議を行い、共同で現地を確認することとした。
日本チーム(団長、第一中隊長)、国連災害評価調整チーム、スイスチーム合同でパダン市内の被災状況把握を実施し、被災国災害対策本部のスタッフの案内で市内5ヶ所の建物倒壊現場を確認した。この結果から、最初の活動サイトを最重要現場と考えられたアンバチャンホテルに決定。スイスチーム本体も相前後して市街地入りする見込みであったため、到着時には両チームが連携して活動を実施することとした。
資機材を積載した航空機がパダン空港に到着。移動に利用できる車両数の制約からピストン移動を実施、早期に活動を開始するためにパダン空港からパダン市内に先行して呼び寄せていた救助犬3頭及び一個小隊がアンバチャンホテルに到着。救助犬による捜索活動に続いて救助隊員による捜索活動を実施したが、生存者反応は確認されなかった。
スイスチームがアンバチャンホテルに到着し、状況説明をして現場を引継ぎ、捜索活動を終了。その間、国連現地活動調整センターが開かれ、調整会議において翌日の活動についての方針が提示された。その内容は、(1)午前8時に4カ国チーム10名程度ずつにより合同で隊を編成し、救助活動サイトに関する調査を実施し、可能性ありと判断したサイトにおいて捜索救助活動を実施すること、(2)場所はパダン市から50~60km離れた南北2ヶ所、北のパリアマンにスイス+シンガポール、南のパシシールスラタンに日本+オーストラリアによる合同の活動とすること、であった。
この方針を受け、翌日の国際連携活動には1個小隊及び救助犬1頭の規模を派遣すること、残りの隊は市内で活動を展開することとし、国際連携アセスメント隊が生存者の可能性があるサイトを発見した際には連絡し、チーム本体を呼び寄せて本格的な活動を実施するか判断することとした。