橋脚の町 下津井(岡山) 平成元年10月
児島からおもちゃの様な下津井電鉄で、終点の下津井まで約30分のお客となる。かつて、潮待ち、風待ちの港として栄えたこの港町、端から端までゆっくり歩いてみたが、下津井節に唄われたような昔の面影や賑は何処にもない。/p>
平日の昼下がりとあってか、露地裏を歩いても出合う人とてなかった。僅かに残る土蔵も白壁が処々落ちて、一抹の淋しさが漂う。
しかし、前の漁港に目をやると、大きな防波堤の内側は埋立てられて大規模に整備され、町はずれには瀬戸大橋の巨大な橋脚も建っている。暫らくしてゴーっと列車が走った。