この辺りは標高も高いのか寒さが身に沁みる。駅に降りたとたん、コートの襟を立て直した。
車窓からチラッと火の見櫓を見付けていたので駅前の食堂に入って、道を尋ね乍ら熱いうどんをすする。
隣の大阪で未だ一本も火の見櫓を描いていないので場所も気になる。何せ大阪府と兵庫県が複雑に入り組んだこの辺り、女主人も「あそこの火の見の処は大阪府豊能郡吉川町」と答えて呉れた。
火の見櫓の下では老夫婦がラジオを聞きながら畑を耕している。ここも農業は老人の仕事か。