約1年前、観光バスの車窓からチラッと見た、木で出来た火の見櫓が妙に頭にこびりついている。確か東舞鶴の川の端を云うおぼろげな記憶をたどって尋ねてみれば、やはり祖母谷川に架かる千歳橋のたもとに目指す火の見櫓は立っていた。
見れば三本の太い柱はしっかり大地を踏みしめて、その上に半鐘が吊るされている。
雨の少ない今年の夏、川は枯れ僅かに残った水面は夏空に湧き出た雲を映して白く光っている。真夏の昼下がり、目に入った汗で火の見櫓も霞んで見えた。