思案橋と遊郭 三国(福井) 平成4年9月
『文学のふるさと』と云はれるここ三国の町。潮の香に誘われて歩くうちに、屋根の低い町家が連なっている処に出た。本と見比べたらこの辺りは昔の遊郭跡と書いてある。
この小さなコンクリートの橋が思案橋か?風待ち潮待ちの船乗り達がここまで来て、行こか行くまいか一杯機嫌で懐の中の巾着を握りながら歩いた姿を想像する。
橋の隣りは古風な酒屋、千本格子の横に木の看板が吊るされており、よく見ると大日本帝国…の文字が読める。
真夏の昼下がり、この付近もう少し古い家並があればまさに白昼夢を見られるのだが。