雨上りの三方五湖 三方（福井） 平成元年8月
三方湖畔は成出の集落辺りか、湖のそばに茅茸の舟屋がある。そして、その横には江戸の昔を思はせる小さな火の見櫓が建っていた。
雨上がりの山や畑は一段と緑が濃く、湖は空の雲を映して中央が白く光っている。
誰の演出か、朽ちかけたような舟屋と、昔乍らの火の見櫓の組合せが自然の景色の中にしっくりと溶け込んでいる。
うれしいことに、ここには電柱や鉄塔もない、まさしく純日本的風景である。静かな湖面に風が走る。キラキラ輝く湖面で時々魚が跳ねるのか、小さな波紋が出ては消えて行く。