表札に支干(えと) 井波(富山)平成4年9月
端泉寺の門前町として栄えた井波の町は、又、欄間職人の町でもある。
この町、裏通りは静寂の時が流れるような感さえするが、表通りは寺院から真直く伸びる石畳の通りがあり、その両側には軒の低い木彫りの店が続いている。そして、ここの特徴か、通りからガラス戸越しに職人の仕事が見えるようになっている。
歩くうちにふと気付いたのは各家の表札。それぞれ戸主の支干が彫ってある。馬があり猿がある。なれば私と同じ猪はと探したがなかなか見付けられない。井波には亥歳はいないのかと諦めかけた時、遂に一匹見付けた。他愛もないことであるが、何かホッとした。