時を告げるサイレン 相川(新潟)平成5年6月
佐渡の相川、ここ大浦の集落は殆んどが板張りの家で、冬、季節風の強さが偲ばれる。
約80戸程の家々は海沿いの細い道に棟を寄せ合い、互にかばい合っているかのように建ち並び、静かに朝の空気を吸っている。道端の雑草も露のブローチを付けて光っている。
この集落の中程に、猫の額程の空地があり、そこに小さな消防器具庫と小さな火の見櫓があった。主役の半鐘は下に吊るされ、百葉箱のような箱に入ったサイレンが上に置かれている。今しがたのサイレン、聞くと朝の6時と夕方5時に自動で鳴ると云う。将に時のサイレンである。