1.遠敷郡上中町三宅
全国でも数少ない江戸時代の火の見櫓。倉庫の隅から5mくらいの板張りの櫓が立ち上がる。倉庫の脇から伸びたはしごが軒下を通って櫓に達し,頂部には瓦屋根の下に半鐘が下がっている。「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として,国の登録有形文化財に指定されている。
2.遠敷郡上中町熊川
京都から若狭へと続く鯖街道の宿場町,熊川宿の入口に立つ火の見櫓。半鐘は古く緑青がふいて,まっ赤な櫓と対照的。熊川宿は江戸時代からの街並みがそのままに残り,重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
3.小浜市門前
若狭の国宝,明通寺の「門前」で見つけた,木柱にぶら下がった半鐘。半鐘の下には,半鐘と同じように槌で叩く木の板もある。脚元の消防小屋も古く,文化財のある景観によくとけ込んでいる。
4.丹生郡織田町下山中
織田町は織田信長を生んだ一族の地。一見,半鐘は無いように見えるが,よく見ると櫓のなかに吊り下げられている。背後に見える民家の屋根には昔の櫓のようなものがあるが,これは囲炉裏の煙を出す換気口で,この地方の民家にはしばしば見られる。
5.丹生郡宮崎村樫津
福井県中央部の小さな村で見つけた櫓。細い鋼管の溶接で,比較的新しいものと思われる。宮崎村は陶芸,窯業で知られる土地である。
6.南条郡今庄町今庄
北国街道の宿場町,今庄の中心地に立つ火の見櫓。北国街道は北陸の諸藩が江戸参府に使った道で,今庄は重要な宿場であった。今でも当時の街並みが残っている。写真の古い建物は昔からの酒屋さん。