『鎭火安心圖巻』について
「鎭火安心圖巻」は、国立国会図書館特別文庫の所蔵史料で、「嘉永七年甲寅孟秋、武州豊嶋郡峡田領住人、鬼蔦齋書画」と奥書に記されていますから、作者は峡田領(現在の三河島、町屋一帯は上野寛永寺の領地だったころ峡田(はけた)領とよばれていた。)の人で嘉永年間(1848~1854)ごろの様子を描いたものと考えられます。
江戸の町における火災の発生、通報から火消の人たちの出場、町火消の懸命な消火活動、そして火災鎮圧後の様子まで、当時の状況がリアルに伝わってきて興味の尽きないものがあります。
今回掲載した画像は、国公立所蔵資料刊行会編簒として昭和54年に誠文図書(株)から複製出版されたものをもとにしました。
また、各画像のタイトルや画像に付した注は誠文図書(株)の出版資料に小池渚一氏が解題されているものを参考として、当博物館の独自の判断で記したのもです。
- (1)江戸の町に火災発生、御使番が走る
- (2)定火消の出場
- (3)町火消(五番組のうちま組)の出場
- (4)火事にあわてる町の人々
- (5)町火消(三番組の各組)の勢揃い
- (6)待機する武家の火消と避難する人々
- (7)火掛りその一(町火消二番組、五番組の活躍)
- (8)火掛りその二(町火消一番組、六番組、九番組、十番組、南組、中組の活躍)
- (9)鎮圧後の町火消(八番組、北組)と町の人々
- (10)ふだんの町の正月風景
- (11)奥書